【OC号2021】【秒撮】水面に映る新緑 三重塔高々と 輪王寺

 ほの暗い参道を抜けると、静寂間雅(せいじゃくかんが)な境内に着く。ここは曹洞宗金剛寶山(こんごうほうざん)輪王寺(りんのうじ)。伊達家ゆかりの禅寺だ。

 輪王寺は東北有数の名園を誇る。ツツジが可憐に咲き、コイが悠然と泳ぎ、チョウがはためく。豊かな自然が、限られた空間で見事に再現されている。


 また目線を上げると、三重塔が木から頭をのぞかせる。欄干の朱色が緑豊かな風景のアクセントとなり、互いを引きたてている。

 輪王寺は伊達家11代持宗により創建された。その後、伊達家の転封に従って転々とし、17代政宗の時代に現在地へ。伊達家の躍進と重なり、輪王寺は繁栄した。しかし明治維新によって伊達家の庇護(ひご)を失い、火事で伽藍(がらん)が焼失。その後百年間、再建されることなかった。1903年、曹洞宗の大本山が再建を指示し、現在に至っている。

 伊達家とともに数奇な運命を辿った輪王寺。今はのどかな空間を現代に届けている。



輪王寺
〒981-0931 宮城県仙台市青葉区北山1丁目14-1

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