【OC号2021】【人生の問い 大学教員が答えます】(1) 「生きている」とは価値に動かされること 文学研究科 村山達也 准教授

  誰しもが一度は考えたことがある、生や幸福についての問い。コロナ禍において大学で学ぶ学問はどう役立つのか。これらの問いに、倫理学・経済学・精神医学、それぞれの専門分野の視点から本学の教員が答えた。(全3回)

1:「生きている」とは価値に動かされること 文学研究科 村山達也 准教授

2:消費と余暇を最大化するため行動 経済学研究科 若林緑 准教授

3:人生で大事なこと人それぞれ 医学系研究科 富田博秋 教授


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―人間は何のために生きているのか。生きているとはどういうことか


 倫理学は、生きることの価値をめぐる問題を考えます。とても抽象的なので、問題設定には慎重です。すぐに話が曖昧になりやすいからです。


 さて、まず後半の質問から。この質問には、私だったら「生きているということだ」と答えます。昔オリンピック中継でアナウンサーが「オリンピックって何でしょう」と尋ねたら、解説者は「オリンピックです」と答えました。そういう感じです。


 無駄話はさておき、「生きているとはどういうことか」という問いに倫理学の観点から答えるなら答えは「価値に動かされること」です。コロナ関連でも「~すべき」「~したい」などと言われますが、これは「~は善いという価値をもつ」「~は私にとって価値がある」ということです。人間はいつも、価値に動かされて生きています。


 前半の「なんのために生きているのか」という問いは、生に目的があると前提しています。しかし人類であれ個人であれ、生に目的がなくても論理的には問題ありません(生きがいがないと、退屈という意味では不便ですが)。目的があると前提してしまうのは、普段から価値・目的に動かされていることの表れかもしれません。



―幸せを感じるにはどうすればよいか


 この問いは、幸せを「感じ」に限定しています。しかし幸せは感じに尽きるでしょうか。「魔法であなたをオリの中の蛇にしますが、常に最高の満足を感じさせます」と言われて「幸せになれる」と思えるでしょうか。――というように、倫理学は幸せになる方法より「幸せとは何か」にこだわります。なお、私はこういう問いを考えていると、たまに幸せを感じます。



―コロナ禍に倫理学はどう役立つか


 倫理学は人間を動かす価値の研究なので、どんな状況下でも、差別や正義、幸福について考え、人間の行為を理解するのに、大いに役立ちます。もちろん、役立てるかは私たち次第です。



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