【OC号2021】【人生の問い 大学教員が答えます】(2) 消費と余暇を最大化するため行動 経済学研究科 若林緑 准教授
誰しもが一度は考えたことがある、生や幸福についての問い。コロナ禍において大学で学ぶ学問はどう役立つのか。これらの問いに、倫理学・経済学・精神医学、それぞれの専門分野の視点から本学の教員が答えた。(全3回)
1:「生きている」とは価値に動かされること 文学研究科 村山達也 准教授
2:消費と余暇を最大化するため行動 経済学研究科 若林緑 准教授
3:人生で大事なこと人それぞれ 医学系研究科 富田博秋 教授
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―人間は何のために生きているのか。生きているとはどういうことか
経済学の前提で言うならば、人々は効用を最大化するために行動します。効用とはその人が生きていく上で一番幸せだと思う事です。つまり、人々は消費と余暇を最大化するように行動するという風に経済学では考えるわけです。でも一日は24時間であり、持っているお金も有限であるので、それらをどのように割り振ると満足度が高まるのかを考えます。
人は効用を最大化する事を前提に生きているし、私自身もそうなんじゃないかなと思います。その人にとって何が効用最大化なのか、幸せと思うのかという事を考えると、おのずと生きる意味は決まってくるんじゃないかなと思います。
―幸せを感じるにはどうすればよいか
人々は効用を最大化するために行動するので、その時の効用を自分なりに解釈することで幸せを感じる事ができると思います。
その時々に幸せって変わってくると思うんですね。高校生のときは大学に入ることかもしれないし、大学に入ったら就職かもしれない。幸せは一元的なものではないですから。
自分にとっての効用を最大化するために、リスクとリターンを考えて、今の行動を決める。そうすることで、その人の思う幸せを達成できるのではないかと思います。
―コロナ禍に経済学はどう役立つか
コロナ禍において、やみくもに怖がってしまえば何もできないし、逆に突き進んでしまえば感染してしまうかもしれない。経済学を学ぶと、どういうリスクとリターンがあるかを実際のデータを見ながら自分なりに考える事ができるようになると思います。
経済学を勉強すると社会の仕組みが分かります。その仕組みが分かるとどうするべきかを自分なりに話せるようになります。
経済学という共通言語を用いる事でどんな状況でも根拠をもって自分の考えを話す事ができるようになるという点で役に立つと思います。
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